鬼ころし。(てやてやてや

鬼ころし、なる日本酒には。
ほんっとうにお世話になっています。

おしなべて強く、料理酒として好適で、
しかも、
筆名との因果かなにか、ザルのわたしの寝酒として非常にたのもしい。
頼れるアニキと云う感じです。

世間では、鬼ころしと口にするとき揶揄が込められるらしいのですが、
わたしには相方同然の清酒です。

で。
新居最寄りのスーパーで料理酒として買った鬼ころし
失恋の痛手をまぎらわすべくついコップ酒などしてしまったのですが、
パックを見てびっくり。
以下は、アオリ文句の転載です。


「昔、鈴鹿に棲む鬼ありて
 里に下りては悪戯の仕放題
 旅人・里人・甚だ困窮し 一計を案じたり
 清洲伝来の地酒を 五条の河原に置きたり
 鬼これをみてよろこび 飲み干し大いに酔う
 酔う程にまだまだ飲めるぞと
 五条の川も酒なりんかと
 ふらつく足で水中に落ちたり
 鬼、清洲の酒は恐ろしやと ほうほうの態で 山に逃げ帰りしとか」


えええ、「きよす」ってあの「きよす」!?
いえ、実は、母が三州の出なもので、昔語りで音だけは知っていたのですよゥ。

しかも、「鈴鹿」!?
ってか、鈴鹿の鬼って「鈴鹿御前」!?
鈴鹿御前はわたしの憧れの女性なのです!!!!

…と、酔眼でラベルを読んで血迷いましたが。
考えてみれば、あれほどの女性がこんな姿をさらすわけなど無く。

でも、鬼である以上は、鈴鹿御前も酒豪だったやもと妄想すると、
やはり酒宴をはりたくなります。
折しも季節は秋。
紅葉の元では鬼が宴をひらくはお約束ですもの。

う〜ん。
でも、タブーの無くて剛胆な鬼のお姉様がたなら、
わたくしごときの傷心を温かく笑い飛ばしてくださるのではと。

紅葉狩り」に焦がれる、独りの秋でございます。