愛しいあやかし。

こみトレあわせの「狐」本用のラフ。
玉藻前」です。

今回、仙女としての彼女を描きたくて、頑張ってみました。

と、いうのは。
この本を読んで、玉藻前に対するイメージがぐらりと変わってしまったのです。

狐の日本史 古代・中世篇

狐の日本史 古代・中世篇

九尾の狐といえば。
妖怪のなかでも最強の肉食女子というイメージがあると思います。
美貌で権力者をたぶらかし、買い物三昧、酒池肉林、残虐シーンの観賞が趣味で、とどめをさすのが床上手。

ですが。
玉藻前を寵愛した鳥羽上皇は、彼女の妖気にあてられて死にかけましたが。
彼女が存命中に殺した人間の数は、じつはゼロなんですよね。

玉藻前の死体から仏舎利がでたというストーリーからわかるように、もともと、彼女は、王権の象徴である仏舎利鳥羽上皇に渡すために現れた仙女。

美女で、学問にも秀でていたために、過剰に気に入られ、添い寝を要求されたようですが。
一方で、自分のもつ仏教や儒教の知識を上皇や貴族たちに伝えた教師としての姿は、あまり意識されないようです。

天竺から彼女がもたらした宝や、貴族にあたえた娯楽などをみていると、豊穣な女性美を感じます。

ですが、妖怪は妖怪なので、添い寝すれば大抵の人間は身が細ります。
まれに、安倍保名さんのように、愛し愛されて丈夫になる男性もおられるようですが(^^;。

あやかしの身になって読み返すと、同じストーリーでも違う顔が見えますよね。
そういうのがマイブームです♪